無垢フローリングについて

無垢フローリングについて

無垢フローリングの合板フローリングとの違い フローリングは大きく分けて無垢フローリングと合板フローリングに分けられます。 無垢フローリングは、天然木を切り出して加工したもので、内部まで一枚板のものをいいます。無垢の木材の定義としては寄せ集めや積み重ねなどの木を継ぎ足して合板を作る加工を施していないものを指します。具体的には断面を見て単一の木材からできているものを無垢フローリングといいます。 これに対し合板フローリングは、薄い板を何枚も重ねて作られる合板になります。床面として見える部分に薄くスライスした木材を貼り重ねることにより無垢材風に見せたり、メンテナンス性や耐久性を持たせるために樹脂でコーティングしたりします。

無垢フローリングのメリット 無垢フローリングの魅力は木そのものの魅力が出てくることです。

重厚感と豊かな表情 無垢材フローリングは、本物の木質が魅力です。 ひとつとして同じ模様がない無垢材は、本物の木材がもつ存在感があります。 無垢材にはさまざまな木が使用されます。樹種によって色や柄も異なりますし、同じ丸太でもいろいろな模様になります。木目、節の大きさ、微妙な色合いなど、豊かな表情が魅力です。樹皮に近い部分では節もあります。節がある部分は価格も安くなりますが、その「天然木」らしさでもあります。 複合フローリングのデザイン性がアップしているとは言え、木の断面がそのままフローリングとなる無垢材の質感には及びません。

経年美 無垢材は時間が経過しても、品質や性能が低下する経年劣化ではなく、より深い味わいを醸し出すようになる経年変化を楽しめます。張り替えたばかりの新しい木質も良いですが、歳月を経て変化していく色やツヤを楽しむことができるのも無垢材の醍醐味であり、一生モノの愛着が湧きます。

耐久性 無垢フローリングの耐久性は30年以上と言われます。表面に付着した汚れや傷は表面を削ることによって元の美しさが蘇ります。

調湿効果 無垢フローリングは複合フローリングにはない調湿作用があることもメリットです。乾燥すると水分を外部に発散し、湿度が高いと水分を吸収する特性をもち、お部屋の湿度によって空気中の水分を吸放出して一定に保つ調湿効果があります。夏はべたつかず、冬は静電気を抑えてくれ、年間を通して快適な空間がつくられます。

断熱効果による心地良さ 寒い冬は床も冷たくなり、素足ではひんやり感じます。無垢フローリングは断熱性に優れており、素足でも体温が奪われにくく、温もりを感じられるメリットがあります。素足で歩くとほんのりあたたかく感じます。 木材はタイルやコンクリートに比べて熱伝導率が低いためです。スギの断熱効果はコンクリートの約12倍、鉄の約483倍です。伐採された木材は空気をたくさん含むので、空気があることで熱が伝わりにくいのです。 無垢材を多く使用した家はこの断熱効果によってエアコン効率が良く、省エネ効果も期待できます。

柔らかさと肌触り 木には柔らかさと優しい肌触りがあります。この柔らかさが転倒などによる衝撃を吸収するため、子供のいるご家庭でも安心です。

身体に優しい 複合フローリングに使われる化学接着剤から放散する有害な化学物質により、人によっては暮らしているうちに、頭痛や吐き気、目がちかちかするなどといったシックハウス症候群という症状が現れます。 無垢材フローリングは丸太から使用する大きさに合わせて切り出された木材なので、有害なホルムアルデヒトを含む接着剤の使用がないか少量です。ホルムアルデヒドが引き起こすアレルギーやアトピー、シックハウス症候群の心配が軽減されるケースもあります。

無垢材のデメリット 無垢材のデメリットは、メリットのそのままの裏返しでもあります。 変形する 無垢材は、梅雨などの湿度の高い時期に膨張し、空気が乾燥する冬に収縮します。それによってフローリングに隙間や反りができたり、床鳴りが発生したりすることがあります。 しかし施工する際にさまざまな対処をすることで、それらのトラブルを最小限に抑えることが可能です。近年では、耐久性や寸法安定性を高める特殊加熱処理がされた商品もあります。床暖房などを設置する場合は、事前に施工業者とよく相談するようにしましょう。

価格が高い 無垢材は原木から切り取ったものをそのまま使用するため、使用できる量が限られています。そのため、端材を利用することができる合板と比べると材料費がかかってしまい、導入コストは高めです。ただし、無垢フローリングは寿命が長いでから、長期的には経済的ともいえます。また、グレードや木種によって価格帯はさまざまです。

汚れや傷がつきやすい 無垢材はウレタン塗装などと違い表面加工が施されていない天然の木であることから、ウォールナットなど硬いとされる広葉樹でも、どうしても汚れや傷がつきやすいという問題があります。杉などの針葉樹は特に柔らかく、物を落とすと凹んでしまうこともあります。無垢材フローリングを長く美しく保つためには、素材や塗装に合わせたメンテナンスが欠かせません。 しかし、一度傷つくと修復が難しい合板などとくらべ、無垢材は無塗装の場合は水を含ませて膨らませたり、削ったりすることである程度修復することができます。傷の修復などのメンテナンスができることはメリットともいえます。全面を薄く削りなおすことで新品同様のフローリングに再生もできます。

水に弱い 無垢材は表面を塗装してあったとしても水に弱いデメリットがあります。無塗装であればなおさらです。 シミになりやすく、濡れたままにしておくと腐朽菌が繁殖してしまう恐れもあります。 できればオイル塗装や自然塗装をして表面を保護し、濡れた場合はすぐに拭き取りよく乾燥させることです。

無垢フローリングの材質 マホガニー、チーク、ウォールナットの3種類が世界三大銘木と呼ばれます。また、ナラやカバが定番となります。その他にも様々な種類の無垢フローリングの材質があります。ここでは代表的なものを取り上げます。

マホガニー 茶褐色の中に赤やオレンジの美しいグラデーションがあり、光が当たると浮かび上がる縞模様が特徴的です。最初は白っぽいですが、経年変化で徐々に色が濃くなり、いわゆるマホガニー色に変色していきます。 中米産のホンジュラスマホガニーが元々ですが、天然木は乱獲により数が減ってしまい、現在はワシントン条約で伐採禁止となっています。世界中の熱帯域で材木用に植林が行われており、無垢フローリングはその植林木を利用しています。 乾燥による反りや摩耗に強く、腐敗しにくい木材で、ウォールナットよりも女性的な雰囲気があると言われています。

チーク チークは古くから高級ホテルや豪華客船の内装、高級家具に使用されてきました。ミャンマーチークは本チークと称せられ、世界的な銘木です。チークは木に油性分(木製タール)が高く耐水性に優れており、耐久性、防虫性にも優れています。 暖かみのある優しい色調で、年月とともに輝くような飴色に変化していきます。 天然の本チークは希少な高級木材ですが、ネシアチークやラオスチークなどの高品質の植林チークも多く出回っています。

ウォールナット 家具や建材に使われるウォールナットは、一般的にはアメリカ産のクルミ科の木材である「アメリカンブラックウォールナット」を指します。チーク、マホガニーと並ぶ最高級素材です。 薄紫を帯びた焦げ茶色系の色彩はとても落ち着いて高級感にあふれ、繊細な木目とあいまって重厚な美しさを持ちます。 非常に硬い木材で寸法の変化がなく、耐久性・衝撃性に優れています。

ナラ(オーク) 無垢の床材をどれにしようか検討する際にまず候補として挙がるのがナラです。ナラのはっきりとした木目は重厚感があり、フローリングの合板にもオーク柄はよく使用されており、床材としての馴染みがあるのがナラだといます。 ナラは他の樹種と比較して高い耐久性と耐水性を持つことから、昔からワイン樽やウィスキー樽の材料や船舶の材料として使用されてきました。 木目が落ち着いており、表面仕上げによってはシックな雰囲気を醸し出してくれるので、長い目で見て飽きがこず、和風、洋風とどちらにもうまく調和します。素地は淡いグレーに近い色合いで様々な着色も行ないやすいです。 耐久性や耐水性にも優れていて使い勝手も良い、長年使ってもナラの持つ深い味わいを楽しむことができます。 価格的にも数ある樹種の中でも比較的リーズナブルであり、使用しやすい材料といえるでしょう。加工性も良いため、耐久性とのバランスも良いです。

カバ(バーチ) 均一で緻密な木目が直通で美しく、優しく柔らかで上品な雰囲気を醸し出します。 色は明るめの淡い白黄色になります。表面は硬くもやわらかくもない中間的な硬さです。 「色合いが白く明るい」「接着しやすく、塗装後の仕上がりがいい」ということで、加工の容易さからバーチは優れた床材として長く利用されてきました。 日本に輸入されているカバは中国東北地方、ロシア、北朝鮮などで取れる色の白いカバ(カエデカバ、カバ桜、東北カバ)と中国南部の西南地区で取れる色のピンク色のカバ(西南桜)があります。各業者の呼び方が若干違うことがありますのでご注意ください。

バンブー 全国に生育するバンブー(竹)は、日本ではとても身近な存在です。 無垢材としては清潔感のある直線的な模様や、しなやかさが魅力です。反りや伸縮が少ないため寸法安定性が高く、曲げ、圧縮強度に優れています。竹のものさしなど長さに対しての狂いがありません。竹の比重は、木材の中でも高いと言われているナラよりも更に高く、厚みを薄く仕上げても強度があります。 また、熱が伝わりやすい特性があるため、冬に床暖房使用する部屋にもオススメの床材といえます。一方、夏場は高い調湿効果で、暑さを和らげてくれる効果もあります。 竹は他の木材に比べ格段に成長が早く、地下茎とよばれる茎を地中に持つため、地上に生えたものだけを伐採すれば新たな造林の必要のない持続的生産が可能で、環境に優しい素材といえます。

ヒノキ ヒノキは高級感と特有の芳香があり、日本を代表する高級材として古来より重用されてきました。 湿気などの影響で発生する腐りに対して非常に強く、寸法安定性に優れ、殺菌や殺虫の効果があるといわれています。 桧の独特の芳香はフィトンチッドと呼ばれ防虫・消臭に優れリラクゼーション効果があると言われています。 その耐朽性や強度、さらに虫を忌避する成分を含むことから古来より住宅のみならず神社仏閣の構造材として全国各地で用いられてきました。 ヒノキは最初は白っぽい光沢のある上品な色合い・木目ですが、年月を経ることで徐々に綺麗な飴色になっていきます。 作り付けの家具との相性もよく、注文住宅のように家にこだわりを出したい方にはとてもよいといえるでしょう。

無垢フローリングのお手入れ 無垢フローリングは定期的にお手入れをしていただくことで、独特の風合いや経年変化を長く楽しむことができます。ここではお手入れの仕方を説明します。

通常のお手入れ(共通) 無垢フローリングの通常のお手入れは、床表面の汚れを落とすから拭きで十分です。乾いたモップやよく絞った雑巾や固く絞ったウエスでから拭きしてください。大きいゴミは1ヶ所にはき寄せて掃除機などで吸い取ってください。水拭きはしてはいけません。水分によるひび割れ、反り、シミ、ワックスによる白化が生じる場合があります。 それでも汚れが落ちないときや、大掃除などでは、中性洗剤を薄めたものを含ませ、かたく絞った雑巾で拭いて、最後に乾拭きをして中性洗剤をよく拭き取ってください。 化学モップを使用する際はドライタイプをご使用ください。化学モップを長時間床につけると変色したり、ワックスが白化することがありますのでお気をつけください。

さらに、塗装状態によってこの先のお手入れの仕方が変わってきます。塗装状態とはウレタン塗装の場合とオイル塗装の場合、無塗装の場合があります。

ウレタン塗装の場合 ウレタン塗装とは主成分である合成樹脂がウレタン系の塗料を使った塗装です。光沢がよく耐水性に優れていて、かたく耐摩耗性があるので塗り替えの必要がありません。 ウレタン塗装の日常のお手入れは上述の通りですが、ワックスをかける場合はワックスをよく選んでください。というのも、そもそもウレタン塗装(ウレタンUC塗装)の製品にはワックスをかける必要がないからです。スギやヒノキに使用している硬化クリア塗装などでワックスがけをするとむらが出る場合がありますので、基本的にはワックスがけをしないでください。 特にツヤを出したいなど何らかの事情がある場合は、無垢フローリングに塗装できる商品かどうかをよく選び、そのワックスの取扱説明書をよく読んでそのとおりに使ってください。

自然塗装の場合 自然塗装とは天然油脂(オイル)を使った仕上げのことで、塗料を木材の表面から内部に浸透させ、その木本来の質感が残ります。 自然塗装の日常のお手入れも上述の通りですが、大掃除のときはそれぞれのオイルメーカーの販売している専用のワックスクリーナーを利用して汚れを拭き取り、最後に乾いた雑巾で乾拭きをします。 ワックスをかける場合は、必ず塗装したオイルメーカーと同じメーカーのワックスをかけてください。塗り方、塗布量、回数等は販売メーカーに寄って違いますので、各メーカーの塗装手順に従ってください。ホームセンター等で売っているウレタン塗装用のワックスをかけると毛羽立ちやシミになりますので使用しないようにしてください。

無塗装の場合 無塗装とは何も塗装しない状態です。木の質感や色あいがそのまま残り、傷が目立ちにくく凹み等の補修がしやすく、調湿効果が一番期待できるというメリットがありますが、その反面で汚れが染み込みやすく、毛羽立ちやささくれが出ることがあります。 しかし実際は無塗装のまま使用することは少なく、無塗装の材質を購入後何らかの仕上げをするということのほうが多いかと思われますので、お手入れの方法はケース・バイ・ケースになります。

使用上の注意 お掃除の際にポリッシャーやスチームクリーナーなどの水を含むものや蒸気を吐き出すものは使わないでください。表面が傷つきますし、水分が反りの原因になります。汚れが気になる場合は各ワックスメーカーの指示に従いこまめなワックスがけをすることが大切です。

ホットカーペットは使用しないでください。カーペットの下に熱がこもり、反りやひび割れの原因になります。どうしても使用する倍はホットカーペットの下に断熱性の高いマットを引き、高熱で長時間使用しないようにしてください。また温風ヒーターなどの熱風が長時間あある場合も同様です。

 

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